IBM、Red Hat、セロニス(Celonis)の3社は4月1日、セロニスのプロセスマイニング・ツールの導入促進とRed Hat OpenShiftへの適用などに関してグローバル戦略的パートナシップ契約を締結した。
セロニスのプロセスマイニング・ツール「Celonis Execution Management System」(以下、Celonis EMS)は、基幹システムや業務システムのイベントログを収集し、その中からマイニング・アルゴリズムによってさまざまな知識を抽出し、業務プロセスの進行状況の監視や問題点の発見、改善のためのインサイトを提供するもの。すでに世界で「数千社」(同社)が利用中で、セロニスは独ミュンヘンとニューヨークに本社を構え、15カ国にオフィスに設けている。日本でもCelonis株式会社が2019年にスタートしている。
セロニスはRed Hatとの提携により、同社のソフトウェア・ポートフォリオ全体にRed Hat OpenShiftを適用し、製品のアジリティ、スピード、セキュリティ、スケーラビリティを実現する。Red Hatは、OpenShift上で稼働するインテリジェント・ソリューションの幅を広げることになる。
IBMはセロニスとの提携により、以下の4点について取り組みを進める。
・コンサルティングでの活用(プロセスマイニングの推進)
・IBM Garageへの適用
・ビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)での採用
・業界に特化したインテリジェント・ワークフローの提供
今回の提携についてIBMは、「テクノロジー、ソリューション、トランスフォーメーションに何兆ドルもの投資を行ったにもかかわらず、システムやテクノロジーの複雑さ、非効率なプロセス、さまざまな環境に偏在するデータの断片化によって、企業は本来の能力を十分に発揮できないことが起きています。Celonis EMSのプロセス・インテリジェンスの適用により、企業全体の実行能力を特定し、解放することを支援します」と述べている。
なお、IBMは2020年11月発表の「IBM Cloud Pak for Automation V20.0.3」において、伊Cognitive Technology社のプロセスマイニング・ツール「myInvenio」と連携し、業務プロセスの可視化を実現している。
DX推進のための業務プロセスの抜本的な改善・再編へ向けて、従来とは異なるアプローチを取るプロセスマイニングへの注目が高まっている。
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